奇特な世界へようこそ~僕の思考回路~

僕ことURAKIが綴る目眩く思考・嗜好・そして志向の世界へようこそ。貴方にニッチな体験と出会いをお届けする そんな雑記をご賞味下さいm(_ _)m

勇者ぬけさくの思い出~レトロなドラクエあるある話?~

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ドラゴンクエスト 略してドラクエ 
1986年にエニックス(現スクエニ)から発売されたファミコン用ソフト。
諸説はあるが、日本のRPGの元祖ともいわれ、現在でも、そのシリーズは絶大な人気とネームバリューを誇る ナンバリングタイトルだけでも11作品(2019年2月現)を数える まさに国民的RPG

かくいう僕もこのドラクエが大好きです。
どのくらい好きかといえば、もう年に何回かは掘り起こして過去タイトルを未だにプレイし続けています。実際つい先日まで、FC版のⅡ※1をプレイしていましたが、毎度、これ人生で何度目なんだろうかと 思うくらいです。
勿論、ドラクエでいまのところ唯一にして初のオンラインであるXも発売当初から丸六年続けています。※2
ドラクエの魅力は語り尽くせませんが、まず第一に音楽が素晴らしい
すぎやまこういち氏による、あの素晴らしい楽曲の数々 今だにCMなどで使用される あの、ロトのテーマが流れるだけで心熱くなってしまうのは僕だけではないはずです。
余談ですが、帰ってきたウルトラマンの主題歌も、また作詞曲ともに若かりし日の氏によるもの
まさに、僕にとって すぎやまこういちの世界は神域
また、そんな楽曲がマッチする堀井ゆうじ氏の創る独特な世界感 そして、鳥山明氏による魅力的なキャラクター&モンスター そのどれもが未だに僕の心を捉えて放しません。

これほどドラクエ好きな僕ですが、そんなドラクエにおいて唯一、昔から受け入れられないことがあります。
それは「主人公=自分自身」というコンセプト


ドラクエシリーズ少なくともナンバリングタイトルの主人公は例外なく「喋りません」
つまり、台詞がないのです。※3

それは「主人公はゲームを遊んでいる貴方自身」だからです。
そもそも、ロールプレイングとは、「役割を演じる」という意味ですから、これは強ち間違ったコンセプトではなくむしろ当たり前なのです。

しかし、僕はこの「自分が主人公になりきる」というのが苦手なのです。それこそ子供の頃から 

なんと表現したらいいのか難しいのですが、心のどこかに常に冷めた部分があって、自身を客観視する嫌いがあるのです。
ですから、自分が主人公になりきって魔王に挑む姿なんか、客観視に想像して視てしまい 興ざめしてしまうのです。 とても正気の沙汰じゃないと

つまり、どっぷりファンタジーの世界に浸る
バーチャルに冒険を愉しみたい という願望がまったくない人間なのです。 すぐに客観視してしまい冷めてしまうから

ですから、主人公に自分の名前(本名)をつけるというのがどうしても抵抗がありました。

また、世界観的に周りの登場人物はみんなカタカナで、国籍を感じさせないネーミングも多い中、ただ独り主人公だけが純和風のどこから来たかわからない浮いた人になってしまうとも思ったのです。

「アリーナ」「トルネコ」「マーニャ」「クリフト」「たろう※4」「ミネア」「ライアン」、、あれ?? 

閑話休題

そのような事情から、いつもドラクエを始める際、まず最初の難関は「名前をどうするか」でした。
実は、僕のような考えの人間はかなり居たようで、
実際、周りの友達がつけていたのは、流行っていたマンガのキャラだったり、とくに多かったのが当時テレビアニメ化されていたアニメ版ドラゴンクエストの主人公アベル、 ガンガン※5 で連載されていた ロトの紋章※6 のキャラクター(アルスやアステア)名などを拝借していたのでした。

しかし、これでもまだ解決しない問題がありました、、

ファミコン時代の作品(Ⅳまで)は、「主人公の名前に限り」カタカナが使用できなかったのです、、さすがファミコン、、、
仲間はちゃっかりカタカナなのに 

それ故、せっかく、拝借したキャラクター名も「あるす」「あべる」と、下手をしたら 本名よりも かっこ悪い主人公が溢れていたわけです。

ハードをSFCスーパーファミコン)に移したⅤ 以降はさすがにカタカナ解禁。心置きなく迷わず名前つけができるようにはなりましたが、依然として「主人公は貴方自身」のコンセプトは変わらず


さてさて、そんな問題を抱えつつもドラクエライフを愉しんでいたある日のこと

その日、従兄の家に遊びにいったのですが、ちょうど従兄がⅢをクリアしたとのことで、そのセーブデータでラスボス攻略を見せてくれるという流れになったのです。
当時ですから、当然YouTubeどころかネット環境もありませんから、自身のプレイ(データ)を自慢するにも、このように家に呼んで直接披露するというのは、ごく当たり前なのでした。
元々、ネタバレなど気にならない質の僕は、未だ「みたことのないラスボス 大魔王ゾーマ戦」を
楽しみに鑑賞しようと意気込んでいました。
さっそく、観てみると、そこにはレベル51 HPは400超の勇者「ぬけさく」がいたのです。

ぬけさく、、もちろん従兄の名前ではありません。

とりあえずパーティーは武闘家 僧侶 賢者 平均レベル50弱だったのは記憶してはいるのですが、
名前は、その勇者「ぬけさく」の印象が強すぎて
覚えていません、、


いやぁ、たしかに名前に悩むのはわかるけど、ぬけさくはないよなぁ と心の中で思っているうちにも、 ゾーマ城を軽々と攻略していく 勇者ぬけさく御一行。
 あれよあれよとあっという間にたどり着いた大魔王ゾーマ玉座 
配下の三悪魔※7 も難なく倒し、ついに対面したゾーマもとくに苦戦することなく 最後は名前も忘れた女武闘家の会心の一撃で止めを刺したのでした。※8

気付いたときには夢中で魅入っていました。。
そして迎えた感動のエンディング

そして伝説へ※9

この体験ですっかり「ぬけさく」の魅力に浸った僕は、その後、プレイする際に迷わず「ぬけさく」を用いるようになりました。

ぬけさく、、この一見パッとしない名前ながらも
強かった そのイメージギャップも当時小学生だった僕には衝撃だったのでしょう。
ドラクエに限らず、あらゆるRPGで多用するようになりました。「まさに勇者といえばぬけさく」
それこそ、カタカナ名が使用可能な作品でさえも、、、


果たして、ぬけさくが 「ついでにとんちんかん」※10 の ぬけさく先生のことだったと知るのは
遙か先の話なのでした。




※1 ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々 前作の大ヒットを受けて翌年早々に発売されたシリーズニ作目。初のパーティーシステムもだが、やはりそのバランス無視の凶悪難易度で有名。発売前のテストプレーがしっかりなされていなかったのが因らしい

※2 しかし、実は一年近くまともにインしていないのでそろそろ復帰を計画中 今回の画はこのXプレイ中ゲーム内でのショットより

※3 しかし、まったくないわけではない。

※4  もちろん 僕はたろうではありません悪しからず

※5 エニックス少年マンガ誌 当時ゲーム会社のマンガ雑誌は珍しかった。
 
※6 ドラゴンクエスト列伝ロトの紋章 列伝というのがよくわからないが基本的にはロト三部作のパラレル的?内容な作品 当時のガンガン目玉連載のひとつ

※7 ゾーマの直前三連戦 キングヒドラ バラモスブロス バラモスゾンビのこと 
尚、この「三悪魔」(正式には伝説の三悪魔)という呼称はオンラインのXにて迷宮コインボスとして登場した際に付けられた つまり後付け設定。オリジナル当時に呼び名はとくにない。

※8 当然当時の視点(感想)を再現したのであって、実際、いまプレイすれば元々適正レベルであれば苦戦することなく倒せるのは当たり前。
光のたまをつかわなければ話は別だが

※9 ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ  そのサブタイトルの意匠が伝わる名エンディング。FCにしてはよく出来ていると思う。


※10 昔、当時ジャンプで連載していたギャグマンガ 
従兄がこの作品好きだったことが勇者ぬけさくを生んだ。